2008年3月29日土曜日

メディアの餌食という地獄

ロナウジーニョの兄で代理人を務めるロベルト・デ・アシス氏が
27日、ブラジルのメディアに対して「(FIFA=国際サッカー連盟
=移籍規約)第17条を使う可能性がある」と語り、
レアル・マドリーも含めた「すべてのクラブへの移籍が可能である」と
バルセロナを威嚇するようなコメントを出した。

 ここ数年、注目を浴びているFIFA移籍規約第17条を用いた場合、
ロナウジーニョはバルセロナで3シーズンを過ごしているため、
一方的な契約解除が可能となる。
その場合、移籍金は契約解除金として設定されている
1億2500万ユーロ(約196億円)ではなく、はるかに安い
1600万ユーロ(約25億円)で済むと言われている(金額は推定)。
今回の発言はこの規約をよりどころとしており、昨夏にマツザレム(サラゴサ)、
デ・サンクティス(セビージャ)らが、この規約を用いてスペインに移籍してきている。

 ただ、ロベルト・デ・アシス氏はすぐさまこの発言を撤回。
バルセロナの地元ラジオ局の取材に対して、
「その規約を知っているかどうかという質問に『はい』と答えたまでで、
規約を使うつもりはない」と語っている。
レアル・マドリーとのコンタクトについても「何もない」と否定し、
日増しに高まるロナウジーニョへの批判や不要論については
「弟1人の責任ではない」とかばった。

 今週に入り、ロナウジーニョがパリ・サンジェルマンに在籍していた時に
チームを率いていたルイス・フェルナンデス氏が本を出版し、
その中で「彼は試合前のホテルによく女性を呼んでいたし、
ディスコにもよく行っていた」と暴露した。
バルセロナで監督を務めたこともあるカルロス・レシャック氏も、
「以前のようなロナウジーニョは戻ってこない。これまで私も戻ってくると
信じていたが、もう彼の時代は終わってしまった」と語っている。

 バルセロナとしては、タイトル争いが懸かるシーズン終盤に
向けて試合だけに集中したいところだが、周囲はロナウジーニョ関連の
騒々しいニュースに振り回されている。
今回のロベルト・デ・アシス氏の発言は火に油を注ぐようなもので、
毎回「ロナウジーニョは売らない」と発言しているラポルタ会長や
チキ・ベギリスタインSD(スポーツ・ディレクター)に再びマイクが向けられることになりそうだ。

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